悔し涙を流すほど一生懸命になれること
「人の心を動かす」
6年間の教員生活の一番の財産は
「心動かされる経験をたくさんできたこと」
大人になって
悔し涙や嬉し涙を流すほど何かに一生懸命になることは、そうない
人前で涙を見せることも、そうない
生徒たちは、一年間に何度もそんな涙を見せてくれた
学年で一番足の速い子が、クラス全員リレーのアンカーで
ビリでバトンを受け取って、どんどん距離をつめていって
それでも順位を上げられずに最下位になった
そのあと誰のことも攻めずに、「1位とれなくてごめん」って泣いたとき
コーラスコンクールで伴奏が止まってしまって
時が止まったような静けさの中で、生徒たちは歌い続けた
深呼吸をした伴奏者が、次の小節からピタリと歌とそろえて弾きだして
最後まで弾き切った後、ミスしたとは思えないくらい堂々とお辞儀をし、その後ずっと自分の席で泣いていたとき
部活動の大会にケガで出れなくなったとき
思った通りのプレーができなかったとき
そして何より、勝ったたとき
私はこの涙が好きだった
自分の目頭も熱くなった
心を揺さぶる涙だった
子供たちの「一生懸命」は人の心を動かす力がある
私も悔しくて涙が出るほど、何かに一生懸命になりたい
- 人の心を動かすほどに